2022年1月18日

床暖房 蓄熱床の仕組みと工事の流れ

床暖房のメカニズム、工事のお話です。

太陽熱で24時間蓄熱床暖房できる「ハイブリッドソーラーハウス」の床って一体どうなっているのか?

他社の床暖房と何が違うのか?

・・・という疑問を解消できればと思い、説明いたします。

 

【床暖房の仕組み、工事】

単純に言うと、1階の床全体が「岩盤浴」なんです。

「岩盤」って一回温められると冷めにくいですよね。

それは「岩盤」が「蓄熱」するからです。

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この「蓄熱」効果のある床、「蓄熱床」の暖房こそ、弊社が施工している床暖房です。

一般的に、木造の家の1階床下には縁の下があります。基礎と床下地の間に空洞があります。

しかし、蓄熱床暖房の家は特殊で、基礎と床下地の間に空洞がありません。縁の下がありません。

基礎と床下地の間に、断熱材と土間コンクリートが層をなしてあるので、空洞がないんです。

 

写真のように、基礎の上に300mm厚の分厚い断熱材を敷いています。

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せっかく蓄熱したのに、地下に熱が逃げては無駄になるので、断熱性能は確保します。

基礎もコンクリートなので、2回もコンクリートを打つこととなります。

土間コンクリートが「岩盤」のように「蓄熱」し、床下からの輻射熱で家全体が暖かくなります。

土間コンクリートには、温水チューブが配管されています。

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温水チューブが土間コンクリートに万遍なくいきわたることで、

土間全体が「蓄熱」できるようになっています。

そしてこの温水は、太陽熱で温められたものなので、光熱費を抑えることができます。

屋根に設置された太陽熱集熱パネルを通過した水が温水となって床下までいきわたる仕組みです。

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ちょうど、集熱パネルが車のボンネットのように熱くなっており、そこを通過した水が温水になるという単純なメカニズムです。

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断熱材の上に温水チューブを配管し、コンクリートを打設します。

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打ったコンクリートを平滑にならし、同じ高さに押えます。

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打った後のコンクリートには、水分が多くあるので、床を貼る前に乾燥させなければなりません。

試運転で床暖房をかけ、コンクリートが乾燥し白くなるまで、余分な水分をとばします。

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なので、1階の床を仕上げるまで工程が多く、手間がかかっているのです。

住み始めてから得られる「快適さ」を考えれば、手間かけた甲斐はあると、自負しています。

 

水は、熱媒体としては空気より優れています。温風より温水の方が早く暖かくなりますよね?

エアコンの温風に当たるより、入浴したり湯たんぽを抱く方が効果的なのと同じです。

熱媒体として優れた水を介して、効率良く蓄熱し、輻射することで、不快な温風がないのに全体的に暖かい家になるのです。

 

【よくあるご質問】

「コンクリートに埋めた温水チューブって破裂しないのか?継ぎ目は?点検はできるのか?」とご質問が多いので回答します。

温水チューブは、架橋ポリエチレン管という地下のガス配管にも使われる歴史の長い材料です。

耐久性があり、インフラも支える普及した材料です。

紫外線には弱いですが、コンクリートで覆えば紫外線はカットできます。

また、一つなぎの配管で、土間コンクリート下での継ぎ目がないので、破裂のリスクは極めて低いです。

唯一ある継ぎ目は、点検口を開けると確認できる一ケ所なので問題ありません。

 

【まとめ】

① 熱媒体として水を採用→「温水」

② 熱源として太陽を採用→「太陽熱」で経済的

③ 放熱材として土間コンクリートを採用→「蓄熱」「輻射熱」の岩盤浴効果

以上、3点が他社の床暖房との違いです。

これが、弊社が施工している、太陽熱で24時間蓄熱床暖房の家「ハイブリッドソーラーハウス」です。